めぐろパーシモンホールでカラー・フィルハーモニックオーケストラの第7回演奏会を聴いた。パーシモンホールでは定期的に無料コンサートがあるのだが、いつもレベルが高い。東京には音大がたくさんあるので、音楽人口がとても多いのだろう。
今回も直前に気がついて聴きに行ったのだが、実によかった。
曲目は、ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調と、マーラー/交響曲第1番「巨人」という渋い選曲だ。ショスタコーヴィチは暗い曲調が多く、あまり好きではないのでCDは1枚しか持っていない。
開場した直後は、あまり人が集まっていなかったが、開演の頃には7割くらい席が埋まっていた。このホールは2000年くらいにできたので、音がよいのと座席が座りやすい。
ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲は、協奏曲なのに編成がすごく大きい。金管がホルン4人とチューバしかいなくて、木管楽器がフルート、クラリネット、ファゴット、オーボエが3人ずついるのと、ハープがいて、オルガンみたいなチェレスタと打楽器奏者がたくさんいた。
弦楽器奏者の人数も多く、モーツアルトやベートーベンのバイオリン協奏曲では考えられないくらいステージが人で埋まっている。
出だしから暗い曲調だったが、聞いているうちに何となくいいなと思うようになった。バイオリンの独奏部分が暗いのだが情熱的なのだ。
動画が公開されていたので、リンクを貼っておきます。
ソリストは、ウイーンフィルのセカンドバイオリン奏者の、Benjamin Morrisonという若い人だったが、エモーショナルな演奏でだんだん引き込まれていった。曲が終わると大きな拍手が起きたが、まったく同じ気分だった。
2曲目のマーラーの巨人は、CDも持っていて何度も聞いている曲だが、生で聴くのは初めてかもしれない。1970年代、マーラーの交響曲のレコードを精力的に出していたのはカラヤンで、グラモフォンから虹の図案の同じデザインのジャケットで出していた。
小澤征爾さんが70年代にグラモフォンから最初に出したのも巨人だったと思う。すごく音がよいレコードだったことを覚えている。
マーラーの交響曲は重複して何枚も持っているが、6、7、8番はほとんど聴かない。たくさん枚数を持っているのは大地の歌で、慣れると暗くて長い6楽章が好きになる。
生で聴くと、1番の巨人は、曲調が若々しくていいなあと思う。曲を知っているからかもしれないが、ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番より、時間の進み方が早くなる。
動画が公開されていました。お好きな方は聞いてみて下さい。
5番の冒頭でもそうだったが、1楽章の最初、トランペットは最初舞台袖の陰で吹く。CDを聞くと、それでああいう音なのかと納得。
私は楽器のことを知らないのだが、トランペットがみな横に倒したような持ち方をしていて、調べてみたらこれはロータリーバルブ式なのだそうだ。トップ奏者は女性だったがとても上手な人だった。
編成が大きく、打楽器がいくつも入った大音量の曲だ。
2曲とも終わると長く拍手が続いたが、決して形式的なものでなく、実によかったのだ。
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