青葉台駅チャリンコ2分を読んだ

「青葉台駅チャリンコ2分」という本を読んだ。横浜にある轍屋というMTBプロショップの奥様が書かれた本だ。残念ながら、このお店、私は行ったことはない。「奥様」と上品に?書いたのだが、この人はすごいぞ。立ち読みで読み始めて一気にぐいぐい読ませる力技があるのだ。でも、ちゃんと本買おう。

面白い文章を書く人には、普通じゃない方が多いような気がするのだが、この方もその例にもれず、とにかく、極端である。酒びたりの大学生がたまたま体育の授業で自転車に乗り、体育会の自転車部に無理矢理入部する。なにしろ、初の女性部員なのである。

早大の自転車部というとF1レーサーの佐藤琢磨氏が一時在籍したことでも有名だ。私も自転車に乗っているが、自転車部には入りたいとは思わない。根性なしなのである。よくスピードスケートの選手が夏のトレーニングとしてロードに乗るが、楽しいトレーニングなわけがないのだ。目の前に星がチラチラ現れたり、ゲロ吐くのが当たり前のハードトレーニングに決まっているのである。

自転車で坂道を走るのは相当な重労働である。私は、山を歩くのも好きだが、ボッカ(荷揚げ)でもするのでなければ、標高差1000メータを登るのは、歩くよりも自転車の方が相当厳しいと思うぞ。初めて自転車で標高差500メータを登ったときは山を歩くのは慣れていたのに、ゲロを吐きそうになった記憶がある。

そんな過酷な自転車部での生活を過ごした後、著者は、サイクルスポーツ誌で編集者として徹夜続きの激務をこなすようになる。こういう人は、自分を没入することができる対象がないと生きていけないのだろうなあ。徹夜続きの編集者稼業で、ご主人と出会い、今度はご主人の夢であるプロショップ開店に向けてどたばたと奔走するようになる。

全編を通して、ともかく「熱い」。いろいろな問題が起きるのだが、それを「熱さ」で乗り越えていくのがすごい。しかし、ご主人、大変じゃないかとも少し思った。

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