タワーレコードで

寒い1日だった。

渋谷に行ったのでタワーレコードに3ヶ月ぶりぐらいで寄ってみた。以前はよく行っていたのだが、最近はめったに寄らない。あまり新しいなと思えるCDが出ないからなのだ。今日行ったのは、昨晩、グレングールドの弾くゴールドベルク変奏曲のDVDを観ていたのでそのせいである、きっと。

グレングールドの弾くゴールドベルク変奏曲は、1955年録音と1981年録音が廃盤にならずにずっと店頭に並んでいる。好き好きがあると思うが、1981年録音はグールドが亡くなる直前に録音したからなのだろうか、シロウトの耳にも尋常でない間が感じられる。なんなんでしょう、あれは。

GOLDBERG VARIATIONS (1981
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初めてマーラーの曲を聴いた時のような変な感じがする。おまけに歌いながら弾いているのだからたまらないのである。DVDを観ると、自分で指揮をしながら一人でピアノを弾くという変態的態度と、ボロボロの低い椅子に猫背ですわりながらピアノを弾いているグールドという人は、ものすごくナルシスト野郎なのだろうと思う。

しかし、グールドの世界を超える人がいないようなので、おそらく誰もこれを否定できないのである。タワーレコードには、最近出たばかりの高橋悠治が弾くゴールドベルク変奏曲も並んでいるのだが、ちょっとだけ聴いても差があるのだ。

実は今日、発見があった。私は耳が疲れるのでヘッドホンで音楽を聴くことがめったにない。今日店のヘッドホンで試聴したゴールドベルク変奏曲は、1曲目のアリアの冒頭からグールドが歌っているのだ。これは国内盤で、新しいサンプリングを施した盤なので特別仕様なのかと思い、大いに心が動いた。

こんなに(本来の録音だと)歌っているのかと思ったのだ。買っちゃおうかと思ったのだが、まずは手持ちの古い1981年録音のCDを聴いてから考えようと思った。それで、自宅に帰ってからCDをヘッドホンで聴いてみたら、やはり冒頭から歌っているのだ。なんと、こんなCDだったのか。歌いながら弾いているのは知っていたが、ここまで徹底していたとは知らなかった。

コメント

  1. 今日のBGMCD グレン・グールド

    今CD屋さんでグレン・グールドの露出が多くなっています。この機会にCDを買ってみました。奇人と言われますが、WEBでいろいろ調べてみると・・・

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